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バリ旅行を語ろう

医療情報がいままでより発信されはじめたことは確かである。 たとえば、脳外科学会では患者数を公開し、一般病院でもwebサイト上に、外来患者数、手術件数などを公開しているところもある。
そういった情報の公開性とは別に、アクセスという点において日本の医療は海外にくらべ非常にいい。 具体的にいえば、日本では紹介状がなくとも大学病院などにかかることもできるし、近所の開業医ならば予約がなくても診療が受けられる。
先進国でも非常に珍しい状況といえるだろう。 このアクセスのよさ(もちろん距離的な問題だけではない)が、無駄な医療を同じように、沈黙して努力する医者たちの労力に依存する制度で終わってしまい、医療全体の改革にはならないだろう。
ちょっとした風邪ですぐに開業医へ足を運んでしまうのは、日本人の患者の特徴かもしれない。 呼吸器学会ですら宣言していることからもわかるとおり、風邪薬が風邪に効かないことは科学的に証明されている。
いまだに日本では風邪がちょっと長引けば、開業医へ行って薬をもらうことが当たり前のようになっている。 さらに日本の場合は薬の処方される期間が短いために、平均2週間に1度は開業医に通院しているケースが多い。

こうした日本の傾向は、外国では処方葵が何度も使用できることを考えると、実に無駄な医療ともいえる。 法律的には処方菱の処方期間はいくら長くてもいいことになっているのだが、患者管理の視点から、なかなかそうできないのが現状だ。
国が医療費削減をうたい、介護医療などの患者負担が大きくなっているにもかかわらず、開業医レベルでの医療の無駄に対しては規制がまだまだゆるい。 これも政治的な力関係の結果なのであろうか。
とくに最近では生活習慣病の治療薬が増え、高血圧、高脂血症、糖尿病など効果のある薬は増えてきて、大学病院では、処方菱の処方期間を3カ月くらいに延ばしているが、開業医ではまだ1カ月くらいだろう。 むろん処方期間を延長すれば、再診料が減ってしまうので、開業医にとっては大きな打撃である。
だが、生活習慣病の治療薬の処方期間は改善されるべき問題である。 処方期間を延長したとしても、生活習慣病の場合には特別な診療をしているわけではなく、ただ血圧を測り、処方しているだけなので、それほど大きな影響はないはずだ。
いつでもかかれる医者というアクセスのいい医療環境は、無駄な医療を行わせている。 本気で医療費を抑えようとするなら、やはりなんとかしなければいけない。
他にも無駄はある。 たとえば、血液の検査結果だけを訊きに行くのに、わざわざ病院まで行かねばならないのも無駄だ。
あるいは検査結果を訊いたり、予約をしたりするために病院へ行かねばならない場合も多い。 これも時間や労力の無駄であり、それだけ再診料も発生するから金銭的なコストもかかる。
通信技術の発達により、現代ならばインターネットや携帯電話などで結果だけを知らせることもできる。 そうした方法で医療の無駄を省くことは十分可能である。
むろん、このような改革を実施するためには、その前段階として法的な整備も必要になる。 医療費を削減し、医者の労力に余裕を持たせるためには、そういった細かなところからの改善が望まれる。
結局、問題は限られた医療費をどこに重点的に使っていくのか、患者がそれをどう望む大病院の外来待合室には患者があふれている。 その一方では、開業医の数が増えてきたので、外来患者数は1人当たりの開業医でみれば減ってきている。
東京保険医協会の2005年度の調査によれば、東京の開業医の1日当たりの平均外来患者数は、6割以上が10人以下であり、患者数が激減している。 1日の平均患者数が10人以下と回答したのは8・8%で6割を超えている。

1991年の調査では6・9%だったので、開業医の5・9%で外来患者数が減少したことになる。 開業医をもっと効率よく働かせ、大学病院など専門性を高めていくように、患者を分散させなければならないだろう。
健康で長生きという目的を実現するためには、どこへ金を使えばもっとも効率よく満足のかが、医療の方針になっていくべきなのだろう。 平等の医療を維持しながら、患者の満足度を上げていくこと、さらに医療費を抑制していくこと、矛盾した難題を解決する方法は、国民が望んでいる医療を反映できる医療システムの構築であろう。
高い医療を提供できるのか。 その問題に目配りをすることはむろん大切だが、医者の労力を上手に分散することを考えることも必要だ。
一般病院の医者は週に2回、あるいは3回の外来診療を行っている。 外来の診療時間が長いために、そのぶん病棟の入院患者を診る時間が少なくなってしまう。
外来診療のなかには、開業医にとって「いい患者」も含まれている。 「いい患者」とは、高血圧症で血圧を測るだけのために病院にやってきている患者や、高脂血症でコレステロールの薬を3カ月に1度もらいにくるだけの患者など、慢性疾患を抱えた患者のことだ。
こういった患者の場合、自己管理だけで十分にやっていけるケースも多い。 たとえば、高血圧症などは、血圧計を自宅にもてばほとんど自己管理可能である。
高血圧、高脂血症など比較的管理がやさしい病気に関して自己管理を主体に指導していけば、外来患者を減らすことは十分可能である。 患者数が減れば、そのぶん1人当たりの診療時間は延びるので、患者の満足度は高くなる。
患者の訴えをきちんと時間をかけて聞くという当たり前の医療ができるようになるはずである。 若手の医者の労力は、救急医療や夜間診療などへ手厚く注ぐべきだろう。

大学病院では常に医者が足りない。 こういうと、「あれだけたくさんの医者がいながら、どうして医者が足りないのか」と不思議に思われる読者もおられるだろう。
そう考えるのも無理はない。 なぜ大学病院では医者が不足しているのか。
その理由を一言で述べれば、「診療をしない医者の割合が大きい」からだ。 大学病院の最大の無駄は、医学研究に割かれる時間と労力にある。
従来は、卒業後3年くらい経つと、医学博士の卵たちはそれぞれ自分の研究テーマを持って、博士号を取得するために研究の時間が中心になっていた。 医局に残るためには、博士号取得は絶対に必要だからだ。
こうした研究のレベルは医学部によって大きな差があり、十把ひとからげに評価することは乱暴だけれども、多くの研究はまったく無駄であることは紛れもない事実である。 なぜなら、現状の医学博士を取得するための論文は、研究の質よりも形式が重視されるため、従来と同じような研究を発表しているだけなのだ。
の結果、無駄な研究論文を書くことに専心することになる。 最近は、医局が崩壊したことによって医局に残る医者が減ってきているので、以前ほど博士号取得にこだわる医者も少なくなった。
一般病院での臨床的な技術の習得をして、早く開業する医者も増えてきた。 それでも、まだまだ無駄な研究は多い。

大学病院で研究に費やす時間を診療に振り分ければ、大学病院の臨床レベルはもっと上がっていくはずである。 医学研究もどこかで規制しないと、金と時間の無駄が止むことは無駄を省くためには、全体の効率性を考えて大学病院の役割を位置づけなおすことが必要だろう。

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